駄菓子の「安全管理」:製造、販売での衛生管理

和菓子の時

駄菓子の安全管理:製造、販売での衛生管理

駄菓子は、手軽に楽しむことができるお菓子として、子供から大人まで幅広い層に親しまれています。その一方で、駄菓子は比較的安価で大量生産されることも多く、製造から販売に至るまでの安全管理、特に衛生管理が極めて重要となります。食中毒や異物混入といったトラブルを防ぎ、消費者が安心して駄菓子を食べられる環境を維持するためには、製造者、販売者双方における徹底した衛生管理が不可欠です。

製造における衛生管理

駄菓子の製造における衛生管理は、製品の安全性を左右する最も重要な工程です。ここでは、製造工場における衛生管理のポイントを細かく見ていきます。

原材料の受け入れから保管

  • 原材料の選定と供給業者の管理: 使用する原材料は、信頼できる供給業者から調達することが基本です。供給業者の衛生管理体制や品質管理体制を事前に確認し、契約を結ぶ必要があります。アレルギー物質に関する情報提供も徹底してもらい、正確な情報を把握することが重要です。
  • 受け入れ時の検査: 原材料が工場に搬入された際には、賞味期限、異物混入の有無、外観、臭いなどを目視や簡易検査で確認します。特に、生鮮食品や開封済みの原材料は厳重なチェックが必要です。
  • 適切な保管: 原材料は、種類ごとに定められた温度、湿度、遮光などの条件を満たす場所で保管します。冷蔵・冷凍が必要なものは必ず定温管理を徹底し、温度逸脱がないか定期的に記録・確認します。また、先入れ先出しを徹底し、賞味期限切れの原材料が使用されることを防ぎます。

製造工程における衛生管理

  • 製造機器・設備の衛生管理: 製造に使用されるミキサー、オーブン、冷却装置、包装機などの機器・設備は、使用前、使用中、使用後に定期的に洗浄・殺菌を行います。洗浄手順を標準化し、使用する洗剤や殺菌剤の種類、濃度、接触時間などを厳密に管理します。
  • 作業環境の清掃・消毒: 製造エリアは、常に清潔に保つ必要があります。床、壁、天井などの清掃を徹底し、必要に応じて殺菌剤による消毒を行います。換気システムも適切に管理し、ホコリや異物の侵入を防ぎます。
  • 従事者の衛生管理: 製造に携わる全ての従業員は、衛生教育を徹底し、手洗いや消毒の習慣を身につける必要があります。作業中は、清潔な作業着、帽子、マスク、手袋(必要に応じて)を着用します。体調不良者(発熱、下痢、嘔吐など)は、作業に従事させないことが原則です。爪は短く切り、装飾品(指輪、ネックレスなど)は外します。
  • 交差汚染の防止: アレルゲン物質を含む原材料とそうでない原材料、加熱工程を経るものと経ないものなど、相互に汚染させてはならないものは、製造ラインや器具を分ける、洗浄・殺菌を徹底するなどの対策を講じます。
  • 異物混入対策: 製造工程全体を通して、金属片、プラスチック片、虫、毛髪などの異物混入を防ぐための対策を講じます。目視による検査、金属探知機やX線検査装置の導入、フィルターの設置などが有効です。
  • 加熱・冷却工程の管理: 殺菌効果を得るための加熱温度や時間、食中毒菌の増殖を抑えるための冷却速度などを、製品ごとに設定し、厳密に管理します。温度記録は必ず行い、逸脱した場合は原因究明と是正措置を行います。

包装・出荷時の衛生管理

  • 包装材の衛生管理: 包装材も、清潔な状態で保管し、製造エリアへの持ち込み、使用時には衛生管理を徹底します。
  • 最終製品の検査: 包装された最終製品は、異物混入、賞味期限、表示内容などに問題がないか、抜き取り検査または全数検査を行います。
  • 温度管理された輸送: 必要に応じて、温度管理された輸送車両を使用し、製品の品質を維持したまま出荷します。

販売における衛生管理

製造された駄菓子は、販売店に届けられ、消費者の手に渡ります。販売店における衛生管理も、安全な駄菓子を提供するために不可欠です。

店舗の衛生管理

  • 陳列場所の衛生: 駄菓子は、直射日光が当たらず、ホコリや虫の侵入を防げる清潔な場所に陳列します。床に直接置いたり、開封済みの製品をむき出しにしたりすることは避けるべきです。
  • 温度・湿度の管理: 特にチョコレート菓子やゼリーなど、温度や湿度によって品質が変化しやすい駄菓子は、適切な温度・湿度の環境で保管・陳列します。
  • 定期的な清掃: 陳列棚や店舗内を定期的に清掃し、清潔な状態を保ちます。

従事者の衛生管理

  • 手洗いの徹底: 駄菓子を扱う従業員は、こまめな手洗いを励行します。
  • 体調管理: 風邪や下痢などの症状がある従業員は、食品を扱う作業から外れるべきです。
  • 清潔な服装: 清潔な衣服を着用し、髪の毛などが混入しないように注意します。

賞味期限・消費期限の管理

  • 適切な表示: 駄菓子には、賞味期限または消費期限が明記されている必要があります。
  • 先入れ先出し: 陳列する際には、賞味期限の近いものから前に出す「先入れ先出し」を徹底し、期限切れの製品が販売されることを防ぎます。
  • 定期的なチェック: 定期的に陳列されている製品の賞味期限を確認し、期限切れのものは速やかに撤去します。

異物混入・破損の防止

  • 包装の確認: 購入前に、包装に破損や開封の形跡がないか、消費者が確認できるように促します。
  • 取り扱い注意: 乱暴な取り扱いを避け、製品が破損しないように注意します。

その他の安全管理

製造・販売における衛生管理以外にも、駄菓子の安全性を確保するための重要な側面があります。

アレルギー表示の徹底

消費者が安心して駄菓子を選ぶためには、特定原材料7品目およびそれに準ずるもの21品目に関するアレルギー表示が正確に行われていることが不可欠です。製造者は、使用した原材料を正確に把握し、表示義務を遵守しなければなりません。販売者は、表示内容を理解し、消費者からの問い合わせに対応できるようにしておく必要があります。

表示の正確性

原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、販売者情報などが、消費者に分かりやすく、正確に表示されていることが重要です。不適切な表示は、消費者の誤解を招き、健康被害につながる可能性もあります。

製造・販売記録の保管

製造記録(原材料のロット、製造日時、温度記録など)や販売記録(仕入れ先、販売日時など)を適切に保管することは、万が一、事故が発生した場合の原因究明や再発防止策の策定に役立ちます。トレーサビリティ(追跡可能性)を確保することは、消費者の信頼を得る上で非常に重要です。

法規制の遵守

食品衛生法をはじめとする関連法規を遵守することは、安全管理の基本です。製造者は、HACCP(ハサップ)などの衛生管理手法を導入し、継続的な改善に努めることが推奨されます。販売者も、食品表示法や景品表示法などの理解が必要です。

苦情・問い合わせへの対応

消費者からの苦情や問い合わせに迅速かつ誠実に対応する体制を整えることも、安全管理の一環です。寄せられた意見を真摯に受け止め、製品や管理体制の改善に繋げることが重要です。

まとめ

駄菓子の安全管理、特に衛生管理は、製造者と販売者の両方が責任を共有し、協力して取り組むべき課題です。原材料の選定から製造、流通、販売に至る全ての段階で、徹底した衛生管理と品質管理を行うことで、消費者は安心して駄菓子を楽しむことができます。技術の進歩や法規制の強化に対応しながら、常に安全性を最優先とした取り組みを継続していくことが、駄菓子業界全体の持続的な発展に繋がるでしょう。